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書店の反響続々


紀伊國屋書店 横浜店 川俣めぐみさん

すごい…。圧倒された。文章から圧が押し寄せてくる。
筆圧すら感じてしまうような文章に時々押し潰されてしまいそうになりながら読んだ。
お笑い好きを突き詰めてカイブツを生み出してしまったツチヤさん。
カイブツのせいで幸せになったりどん底になったり。
もはや「好き」が幸せなのかどうかすらわからない。
けど、ツチヤさんはこれからもカイブツを抱えて、カイブツと共に生きていくのだろう。
笑いのカイブツおそるべし!


大盛堂書店 山本亮さん

「27歳、童貞、無職、全財産0円」という笑いのカイブツの袋を、入り口から無理やりひっくり返してみたその襞から見える、どうしようもない嫉妬や僻みと才能の残り滓にあざ笑う者はいても、満ち満ちている「絶望」を非難する人はいないはず。生きる術である「笑い」からも見放され、誰もその主人公を顧みない限りなく明けないかもしれない「絶望」。読みながらそれを嫌悪せず、なぜか愛おしく思えるのは、有形無形問わず読者の傍に佇んでいるからではないだろうか。そしてそこにあるのは人を文句無しにひれ伏せさせる才能なのである。


精文館書店 中島新町店 久田かおりさん

普段からいわゆる「お笑い」というものにはあまり縁がなく、免疫もないまま読んでしまったので、あまりの衝撃に後ろむきにぶっ倒れそうでしたよ、いやほんと。
この業界の厳しさくらいは知っていましたよ。裾野はやたらと広いのに、頂点の高さやそこへの道はあまりにも厳しくそこに居続ける芸人たちなどほんの一握り、などなど。でもまさかここまで血まみれの道だったとは。
私たちがテレビのまえでくつろぎながら気楽にゲラゲラ笑って見ているあの「笑い」の裏側にこんなにたくさんの死体が累々と横たわっているなんて。
いやぁ、もう1ページごとに「お笑いなめんなよ」という思いがビンビンと伝わってきちゃって背骨ぎしぎし言わせながら読みましたよ。
ツライなぁ、お笑い。こんなに多くの死屍累々のツラさの上にあるからこそお笑いってのは私たちを心底楽しませてくれるんだね。ほんとにびっくり、いやびっくりというかなんというか、もうこれから寝転んでお笑いなんて見られませんよ、正座して見ます、はい。
紀伊國屋書店 京橋店 朝加昌良さん

たとえば「おも●い」と言う文字を見たとき、
特に関西の人にとってすぐに思いつく言葉は「おもろい」だろうか。
しかし同時に、「おもたい」という言葉も思い浮かぶ。
この本はまさにおもろさと、おもたさを併せ持っていた。
笑いは常軌から逸脱した部分にある、そしてそれを作る側の
それの恐ろしさ。主人公が真剣であるだけに心を打ち、
ときにおかしみを生じ、この小説にえも言われない
凄みを与えている。怖いもの見たさでも構わない、
ぜひ手にとってほしい1冊。
ただし、引き込まれすぎないようにご注意を。
三省堂書店 成城店 大西香苗さん

勢いがすばらしいです。熱量がとんでもない。しかも黒い冥い。そんな熱量が。
少々のお笑いファンの私はツチヤタカユキ氏はオードリーがすごいハガキ職人がいるということでアメトーークで「人間関係不得意」と話していたので覚えました。
その後オードリーの作家になり、、、、まあその辺はこの小説にはそこまで関係ないですよね。

信じているのは“ひとを笑わせる”という生理的反応のみ。そこへのまっすぐな信念は最後まで薄れなかった。
人間関係不得意な青年が笑いを武器に世界と向き合う。愚直すぎな男の姿。
要領よく、とか、ウマいこと、とかとは一切縁がないこの男。
小説としてキャラクターがたっているしエッジも効いているの。ボキャブラリーも豊富。変化に富んで一切退屈することなく読みきれる。

でも、少々のお笑いファンの私は彼がどういう世界で向き合おうとしていたのかわかる気がするのです。
苦労していない芸人はいない。笑いと狂気と無関心は紙一重。
認めてもらいたい。そんな思いを四方八方に撒き散らすこの男。

刺さる読者はいます。待っている読者がいます。この読書体験は貴重ですきっと。
販売できるのを楽しみにしています。

書店の様子


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