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『笑いのカイブツ』漫画化決定!

『笑いのカイブツ』、漫画化決定!!!!!

漫画家・クレパス専門画家・史群アル仙によるコミカライズ企画、
Championタップ!(秋田書店)にて、4月28日より連載開始予定です!

以下、ツチヤタカユキさんより史群アル仙さんへのお手紙を掲載します。

拝啓 史群アル仙 様

はじめまして。
ツチヤタカユキと申します。
今回は、僕の小説を読んで下さって、
漫画化のお話を、お受けして下さり、
本当にありがとうございます。

突然ですが、作品の方を、拝読させて頂きました。
僕は、漫画の素人ですので、そんな人間が感想をお伝えするのは、
恐れ多いですが、アル仙さんの作品を拝読させて頂いて、
衝撃を受けたので、拙い感想になりますが、
ここに書かせて頂く事を、お許し下さい。

まず最初に、絵を見た瞬間に、ぶっ殺されてしまいました。

小学生の頃の僕は、マンガオタクで、家に3千冊くらいマンガが
あって、手塚治虫さんは、神様でした。

あの頃から、20年くらい経ちましたが、
アル仙さんの絵を見た瞬間に、
少年の頃のマンガオタクだった自分に、
一瞬で引き戻され、僕はあの頃の僕に戻って、
アル仙さんのマンガを夢中で読んでいました。

絵を見た瞬間に、そんな風になってしまった後、
もう一つ感じた事があります。
それは、この絵の奥深くに、とんでもないものが内包されている
という感覚です。
その内包されているものは、例えるなら、
(手塚治虫さんが、お好きと書いていらっしゃったので、
きっとお読みになられていると信じて、この例えをしますが)
『火の鳥 鳳凰編』の我王が彫った仏像を見た時の、
自分では計り知れないくらいの大きさの、
狂気と修羅に、にらみつけられている感じです。

クレパス画の方では、その内包されている部分が、
全面的に、爆発していて、
僕は昔から、
「この人の目から、世界を見てみたい」と
感じさせる表現者は、偉大だと思っているんですが、
それを心底、思うような絵ばかりでした。

長々と、素人が、拙い感想を言ってしまって、すみません。
もうすぐ終わります。

最後に、マンガの内容に関しても、感想を
書かせて下さい。

アル仙さんのマンガは、ちゃんと本物の人間が描かれていると感じました。

展開を生むために、登場人物を駒のように扱っている
そこらへんのマンガとは違って、
出てくる登場人物に、ちゃんと血が通っていて、
皆がちゃんと人間で、苦しんでいたり、絶望を抱えていたり
時によって、救われたり、そのままだったりもして、
ずっと続いてきた、ちゃんと生きてきた登場人物の、
人生の一部を、切り取って、描いているような
感じで、そこには、本物の心がありました。
そして、
『臆病の穴』の1巻の最後のオマケマンガを拝読
させて頂いた時、
僕のような人間と一緒にされるのは、お嫌かもしれないですし、
大変恐れ多いですが、
誠に、勝手ながら、生き様が似ていると感じました。

ご自宅に引きこもって絵を描いていらっしゃった時も、
教室で大喜利したり、引きこもってハガキ職人してた頃の自分と、
重なって見えたり、
引きこもりの状態から、菩須彦さんに外に引っぱり出してもらった所は、
引きこもりみたいな状態から、あの人に東京に呼んで頂いた、自分の状況に、とても似ていて、アル仙さん以上に、当時の自分の心情を、
理解できる人は、いないんじゃないかと思ったほどです。

本当に素晴らしい才能を、持っていらっしゃるので、
何かに遠慮したりして、その才能を、殺してほしくないと
思っています。

どんなしがらみにも、縛られる事なく、
自由に描いて頂いたら、必然的に、
読んだ人の心を震わせる作品が、生まれると、
確信しております。

なので、『笑いのカイブツ』のマンガは、
どんな風に描いて頂いても構いません。
内容も自由に、変えて頂いても、大丈夫ですし、
何をやって頂いても、全然大丈夫です!

もはや、原作者なんて、ただのカスみたいなもんです。

アル仙さんの作品の中の一部になれる事、
心より光栄に思っております。

敬具
ツチヤタカユキ


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