「おい! どこでハッピーエンドにしとんねん! アホンダラァア!!」
cakesで、『笑いのカイブツ』番外編
「おい! どこでセックスしとんねん! アホンダラァア!! 」
が公開中です。
タイトルは、たいへん悩みました。
正直、もうすこし無難なもの、かっこいいもの、内容の軸に沿うもののほうが安心です。
「自分が死ぬべき最高のタイミングを逃した男」「27歳で死んだ、僕を乗せて走る銀河鉄道の夜」「僕は、僕を、終わらせたかったのに」「誰からも愛されないと思っていたから、このまま、愛されとる状態のまま、死にたいねん。」「笑いのカイブツ 番外編」……
そして、一周、二周、三周、ぐるぐる回って、
「おい! どこでセックスしとんねん! アホンダラァア!! 」
これに決めました。ものものしくて、すいません。
一番下世話で、ミステリーがあって、力強くて、クリックされそうな“生命の営み”を罵倒する、怒りと悲しみの声。
突如、夜中にこだまするカイブツのうめき声。
ツチヤタカユキさんを知らない人にまで、届きますように。
申し遅れました。
『笑いのカイブツ』編集担当の中島洋一と申します。
ツチヤさんは、お会いすると寡黙な方ですが、文章は饒舌です。
上京して4日間、オフィスに缶詰になってもらったときも、黙々と今詰めてくださったので、こんなことを考えてたなんて知りませんでした。
なんで今日も下着を替えないのだろう、と。
そんなツチヤさんと、書籍『笑いのカイブツ』についての、
メールでのやりとりをご笑覧ください。
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編集者 → ツチヤタカユキ
2016/12/13.00:19
ツチヤさま
おつかれさまです。
6章のタイトルについて、確認です。
「死にたい夜を越えていく」
これ、すごくいいんですけど、
ややネタバレ感があるなと思い直しております。
つまり、ハッピーエンドを予告するような。
たとえば、
「死にたい夜のど真ん中」
「死にたい夜の数え方」
「死にたい夜を撃つ」
「死にたい夜のカイブツたち」
「カイブツたちのいるところ」
など、ボカしたほうがいい気がするのですが、どう思われますか?
ご確認をよろしくお願いします。
中島拝
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ツチヤタカユキ → 編集者
2016/12/13.02:04
中島さま
お疲れ様です。
6章タイトル、
死にたい夜を越えていく人に向けて書いたので、
「死にたい夜を越えていく」がいいです。
書くことによって、死にたい夜を越えて来られたのも、あります。
死にたい夜を越えていく。
歴史に刻みたい言葉は、これしかないので、
これを刻ませて下さい。
違うのにしたら、後悔するような気がして、
でも、死にたい夜を越えていくを、刻めたら、
少なくとも、表現者としての悔いは残らないです。
この一冊で終わるかもしれない人間です。
悔いの無いようにしたいです。
今の読者が、これをネタバレと受け取るなら、それでもいいです。
掲げてるのは、看板であり、旗です。
これ以上ふさわしい、旗はないです。
ずっとしがみついて、来たのは、この言葉であり、
今も現在進行形で、しがみついています。
同じような夜を過ごす人には、この言葉に、しがみついて欲しい。
それを掲げています。
僕が、死にたい夜を越えていくというだけの意味ではなく、
死にたい夜を越えていく人のために、ブログを書き始めるという意味での、死にたい夜を越えていくで、そのブログを書くことを生きる目的にして、自分も死にたい夜を越えていくという、複雑な意味合いがあります。
死にたい夜を越えていく。
発売を延期したことにより、期限が伸びて、
6章のタイトルが、死にたい夜を越えていくから、変更されるなら、
無理を言ってでも、1月発売にしてもらうべきだったと、思います。
死にたい夜を越えていく。
死にたい夜を越えていく。
死にたい夜を越えていく。
死にたい夜を越えていく。
死にたい夜を越えていく。
死にたい夜を越えていく。
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死にたい夜を越えていく。
ツチヤさんの想いを受け取った私は、
「おい! どこでハッピーエンドにしとんねん! アホンダラァア!! 」
と自分をどやしつけました。
死にたい夜を越えた朝が、ハッピーエンドかバッドエンドか。
『笑いのカイブツ』、みなさんの目で、お確かめください。